転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 父はイローウェン王国に使者を出し、この国にもうしばらく滞在すると決めたようだ。
 都にいる、大使として派遣された他国の貴族と交流を深めるのもいいと判断したのだろう。

「……リヒャルト様は」

 先に沈黙を破ったのはヴィオラの方だった。これ以上、黙っているのに耐えられなくなったのだ。

「ん?」
「リヒャルト様は、大丈夫ですか? お疲れって言ってましたよね? あの、ニイファにマッサージを頼みます? 私はやってもらったことないんですけど、マッサージが上手だって、満月宮の侍女から聞いたことが――あっ」


 そこまで一気に口にして、なにを口走っているのかと赤くなった。まだ若いリヒャルトにはマッサージなんてきっと必要ない。

「そうだな、もう少し肩がつらくなったら頼もうか」

 やっぱり、リヒャルトには必要なかったらしい。しゅんとしていたら、ぽんと肩に手が置かれる。

「君のおかげで、気が楽になった。仕事に戻る」
「は――はいっ!」

 気が楽になった。
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