転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
(……だめ。これ以上、わがままになったら)

 皇宮で皇帝一族のそばで生活するし、厨房に立つことも、申告すれば市場に出かけることも許される。今以上を望むなんて、わがままだ。

「大丈夫だ、ヴィオラ。俺達が守るから」

 リヒャルトがそう言ってくれたのに、笑みを返すのがやっとだった。

 ティアンネ妃との再会は、ヴィオラが思っていたよりも早く実現した。
 彼女が皇帝を見舞いに来た時、ちょうどヴィオラも皇帝のところにいたのだ。
 ヴィオラは皇帝に命じられ、厨房から焼き菓子を届けたところだった。皇帝は気が向いた時、こうやってヴィオラに菓子を運ばせるのだ。
 ヴィオラとゆっくり話をしたいという皇帝の意思の表れでもあるので、ヴィオラも断ったことはない。
 けれど、皇帝の居室に入った時、そこにティアンネ妃がいるのに気づいてヴィオラは固まった。


「あら、あなた。どうしてここにいるのかしら。陛下にどうやって取り入ったの」
「ティアンネ。ヴィオラはアデリナが気に入っている娘だ。そうがみがみ言うな」

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