転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 厨房で卵料理を作ってくれるように頼み、出来上がりを待つ間厨房の様子を見守る。
 時間をかけてことこと煮込んだ野菜のスープが用意されているのは、今、ヴィオラが頼んだ卵の蒸し物のためだ。
 皇帝の命令がつつがなく実行されていることを確認し、ティアンネ妃の侍女に引き継いでから厨房を出たけれど、自分の部屋に戻る足取りは重かった。

「――どうした?」

 タケルがあとから追いかけてきた。先ほど、皇帝のところでは同席していなかったが、先日リヒャルトに頼まれたように護衛の役を買って出てくれているのだ。

「なんというか、男の人って、色っぽい女の人が好きなのかしら?」
「は?」

 タケルと満月宮の廊下を並んで歩くのは、もう何度目になるんだろう。
 まさかこうやって、彼と頻繁に肩を並べて歩くようになるなんて、想像したこともなかった。
 タケルがそばにいてくれるから、安心ではあるけれど。

「なんで急にそんなことを言い出すんだよ」
「……ティアンネ妃を見て、陛下ものすごいデレデレしてた」
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