転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 対するリヒャルトの口元に、あざけるような笑みが浮かんだ。ヴィオラは困惑してリヒャルトを見上げる。
 こんな風にリヒャルトが相手を馬鹿にした表情を見せるのは初めてだった。

「たしかにヴィオラはまだ子供だ。だが、その子供にいらない重圧を押しつけたのはあなた方のほうでは? あなたの国で、あなたの宮殿で、ヴィオラがどんな暮らしをしていたか知らないわけでもあるまいに」

 ヴィオラが冷遇されたのはザーラが率先して動いていたにしても、父がそれを止めたことは一度もない。
 父が黙認していたからこそ、ザーラも好きなように振る舞うことができたのだ。

「同情、ですかな? 同情した相手全員と縁を結んでいては、妃の座がいくらあっても足りないのでは?」

 父の言葉に滲む疑念。
 帝国を信じていいのか、それともリヒャルトを信じていいのかと迷っているのだろうか。

「本当にあなたはなにも見えていない。俺がヴィオラを欲するのは、ヴィオラがヴィオラだからだ。この国に来てからの彼女の功績――いや違うな」

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