転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 ヴィオラの功績をリヒャルトが認めてくれたのが嬉しかった。それだけで十分だったのに、それだけではないのだろうか。
 リヒャルトがなにを言おうとしているのか、ひやひやしながら、次を待つ。

「ヴィオラは、強い。それはヴィオラが置かれてきた環境を思えば当然だろう。だが、ヴィオラは――それと同時に優しい。俺が昔投げ出してしまったものを、やすやすと拾い上げて俺の手に戻してくれた。今の満月宮は、ヴィオラのおかげで成立しているといってもいい」
「では、娘に感謝しているとおっしゃるのですか」
「それだけではない。俺が、守りたいと思った。この手で」

 力のこもった言葉に、一気に頭に血が上った。
 これはまるで、愛の告白ではないか。

「俺が、道を踏み外さないためにヴィオラが必要だ。もちろん――ヴィオラが、まだ子供だということは重々承知している。だから〝婚約〟にとどめた。ヴィオラが大人になって、きちんと自分で判断して、もし俺を不要と思ったとしても――その時は、ヴィオラの望みをかなえられるように」
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