転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「わ、私は陛下にお会いしたかっただけですわ」

 ティアンネ妃の声音には、嘘なんて混ざっていないようにヴィオラには感じられた。

「そなたのわがままを許しても、皇宮内の秩序を乱していいといった覚えはないぞ。ましてや、皇太子を追いやり、他の者を立てようと画策するとは」

 皇帝の言葉に、ティアンネ妃が真っ青になる。

「私が少し体調を崩した結果がこれだ。余計なことをしなければ、数年のうちに皇宮に戻そうと思っていたが。そなたは私を失望させた」


(……それって、まさか)

 皇帝は、ティアンネ妃が動くことを期待して、わざと病状を重く偽っていたというのか。

「そ、そんな。私、そんなつもりは。私は、あなたに会いたかっただけ――」
「見苦しいぞ、ティアンネ。そなたに離縁を申し渡す。オストヴァルト帝国皇帝の妃でなくなった以上、即刻国に帰るがいい」
「いやよ、陛下! 私は、あなたを――あ、愛して――」
「そのものをここからつまみ出せ。逃げ出すことがないよう、厳重に警戒せよ」

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