転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 皇帝の命令に従い、皇宮騎士団の騎士団員達がどやどやと入ってくる。悲鳴を上げて暴れまわるティアンネ妃を手際よく拘束し、彼らは謁見の間を出て行った。

「陛下! 私の話を聞いてください! ――陛下!」

 ティアンネ妃の声は、扉がしめられてもなお響いてくる。その声がようやく聞こえなくなったところで、最初に動いたのは皇帝だった。
 高い位置からこちらへゆっくりと歩いてきた皇帝は、ヴィオラの前に立つ。久しぶりに皇帝の存在感に圧倒され、ヴィオラは息を呑んだ。

「ヴィオラ・アドルナート。余のことをどう思う?」
「……怖いと思いました。でも――」

 皇帝が求めているのは、率直な答え。だから、ヴィオラも思っていることを素直に返す。この人の前では、嘘なんてつけない。

「でも、この大国を治めるためには必要なことであるとも思いました。時に――大切な人を切り捨てることも。ですから、陛下は偉大な皇帝だと、私はそんな風に思います」
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