転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「では、そなたに私と同じ行動を取れと言ったら? そなたは、王にならねばならぬ。跡継ぎがいなくなるのだからな。リヒャルトの妃になるにしても、同じことだ」

 皇帝は、ザーラの罪を知っている。まだ、毒見係が持っていった茶の解析は終わっていないというのに。
 そして、ザーラに罪がある以上、異母兄と異母妹は王位を継ぐ権利を失うべきだ。
 リヒャルトが父の前では口にしなかったことを、皇帝は今、父に暗示してみせているというわけだ。
 ヴィオラは大きく息を吸った。

「私には、できないかもしれません。でも、常に正しい道を選択できるよう、努力は続けたいと思います」
「父上、そのような話はヴィオラにはまだ早いのでは?」
「リヒャルト、口を慎め。私は、ヴィオラに聞いているのだぞ」

 皇帝はじろりとリヒャルトをにらみつける。だが、リヒャルトの方も負けてはいなかった。なおも言葉を重ねようとする彼を、ヴィオラは手で制した。

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