転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
〝咲綾〟としての記憶がよみがえるまで、まったく知識がなかったのだからそれも当然なのだが、父もザーラも皇帝の言葉に驚いたようだった。

「……まあ、そうでしたの? わたくし、全然知りませんでしたわ」
「古い文献で読んだそうだ。我が国に来てからも、本当に熱心に学んでいる。他の者達の手本となってもらいたいくらいだ」

 父親の前ということもあって、皇帝は多少大げさにヴィオラを褒めてくれているのだろう。けれど、この国に来るまで褒められることなどめったになかったので、胸にじわりと喜びが込み上げた。

「ありがとうございます、陛下」
「たしかに、国にいた頃よりもずいぶんしっかりしてきたように思える。オストヴァルト帝国の方々から、よい刺激を受けているのだろうな」

 父の前でこんな表情を見せたことはなかったから、父も驚いたようだ。

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