転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 豪華なドレスや宝石などは、国元から援助がなければやっていけないのだ。ヴィオラを厄介払いした父やザーラがそこに気を配ってくれるはずもなかった。
 皇妃から贈られる金銭や品は、「皇帝の食卓を豊かにした」褒美として与えられているもの。皇妃の支援がなかったら、場にふさわしいドレスを用意するのも難しかったかもしれない。
 晩餐会のあと、大人達は別の部屋に場を移して歓談する。成人前のヴィオラは、ひと足先に引き上げることになった。
 扉の前でニイファを待っていると、退室してきた父がヴィオラに声をかけてくる。

「よくやっているようだな」
「お父様……はい、一生懸命務めております」

 ヴィオラは目を伏せた。皇帝と比較して父が小物であると認識しても、父の前に出るとどうしても委縮してしまう。

「今後も励め。リヒャルト皇太子を射止めたのは、思いがけない幸運だったな。我が国のために、しっかりとつなぎ留めておくがいい」
「……はい、お父様」

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