転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「……今日は、これをコマとして使おうと思うんだ」
「ちゃんとしたコマもあるでしょうに」
「ふふん、見てみろ」

 タケルが包みを自慢げに開く。中に入っていたのは、カリッとした食感に焼き上げた、ひと口サイズのクッキーだった。

「一位の人は、これを全部持って帰ることができるんだ。いい思いつきだろ?」
「タケル様は、食いしん坊ですね」

 くすくすとヴィオラは笑う。たしかにタケルは成長期で、ヴィオラの倍近く食べることもある。食べても食べても足りないのだろう。

「ヴィオラだって、食べるのは好きだろう。でも、そうやって笑ってる方が、いいと思うぞ」

 言われて、初めて気づく。
 今日一日、ろくに笑っていなかった。いや、父とザーラがこの国に来ると聞いてからは、笑顔がどんどん消えていたかもしれない。

「――えらいな、タケルは。ヴィオラのことをよく見ている。それに面白いアイディアだ」
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