転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 タケルもそうだ。ヴィオラが父との再会で気が重くなっているだろうと予想したから、わざわざあの場で待ってくれていた。
 寝る前に気晴らしをさせてくれようと、談話室にヴィオラを誘うためのすごろくも用意して。

「ニイファは、ヴィオラ様にお仕えできて幸せですよ」
「うん。ニイファがいてくれるのも幸せ」

 自然とニイファの手を取る形になる。ヴィオラの手よりは大きく女性らしい柔らかな手だ。ニイファは、この手でずっとヴィオラを守ってきてくれた。

(……もっともっと強くならなくちゃ)

 ニイファの手をぎゅっと握って、そう思う。
 婚約が正式に成立したら、ヴィオラに対する周囲の目はますます厳しいものとなる。
 ――いつか、リヒャルトが皇帝になった時。
 彼の隣に立つ女性が、どんな人なのかまだわからない。
 けれど、このまま話が進めば、ヴィオラもリヒャルトを支える女性のひとりとして見られる立場につくことになる。

(――やっぱり、もっともっと勉強が必要よね)


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