転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
(……ううん、お父様のところに面会を求める手紙が来ているかも)

 すぐにヴィオラは考えを変えた。
 この国に来たばかりの頃であればともかく、今のヴィオラはそこそこ有名人だ。
貴族達は、リヒャルトの将来の妃になろうとしているヴィオラの親と関係を深めたがるはずだ。
 嫁ぐ娘を心配しているのであれば、ヴィオラの様子を見に来てくれてもよさそうなものなのに、そういった気配はまったくない。

(……別に、心配してほしいとかそういうのではないのだけど。なんていうか、複雑なのよね)

 ヴィオラと父の縁は、国を出た時に一度切れている。今さらつなぎ直すわけにもいかないし、そうされても困るのだ。
 ――ただ。
 どうにも気になって仕方ない。
 ザーラがこの国にいることで、なにか嫌な出来事が起こる気がして。

(リヒャルト様に害を与えることはないだろうし、今の私をどうこうしようという気もないと思うんだけど……)

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