転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 今のヴィオラは、イローウェン王国にとって利用価値のある人材のはずだ。昔のように〝事故〟に遭うということはないだろう。
 それに、都合よく〝事故〟を起こせるほど、ザーラはこの皇宮の内情に詳しくない。

(リヒャルト様に、もっと信頼できる手足のような部下がいれば、もうちょっと安心できたのかも)

 かつて、目の前で剣を振っている騎士と同じ制服を身に着け、リヒャルトのそばにいた青年のことを思い出す。彼は、ヴィオラにもとてもよくしてくれた。
 リヒャルト個人への忠誠心と、母国への忠誠心をはかりにかけた結果、彼が選んだのは母国だったけれど……。

(ううん、今はそんなことを考えていてもしかたないわよね。ちゃんと勉強しておかないと)

 ヴィオラが広げているのは、この大陸にあるすべての国の王族と高位貴族の情報が記された書物だ。
 各国の王族達の血縁関係、どのような目的で結婚をしたか、さらには各国の国内外の貴族の繋がりについても詳細に記されている。
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