転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 気づまりな会談を終え、ヴィオラが戻ろうとした時だった。

 立ち上がったザーラが、扉のところまで見送ってくれる。まさか彼女がそんなことをするとは思っていなかったので、ヴィオラは緊張に背中をこわばらせた。

「――こんなことなら、私の娘を帝国に送るのだったわ。最初から、皇太子の目に入ることなど期待していなかったのに」
「私が親しくしていただいているのは、幸運が重なった結果ですから。彼女が来ても、同じ結果になったとは思えません」

 異母妹はヴィオラより年下だ。だからこそ、ザーラは手放すのを嫌がった。
 ヴィオラだって、リヒャルトには子供扱いされているのに、ヴィオラより幼い異母妹ならなおさら結婚の対象にはならない。
 けれど、その返答はザーラをイラつかせただけのようだった。

「帰ってこないように、少し脅したのに――」

 だが、そこまで口にして、はっとしたようにザーラは口を閉じる。こちらを見る彼女の目には、見たことのない表情が浮かんでいた。

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