転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
(脅し? 私、いつ脅されたの? 脅しじゃすまないことの方が多かったと思うんだけど)

 首をかしげながら、新月宮をあとにする。太陽宮との境界にあたるところまで、ニイファが迎えに来てくれていた。
 ニイファの目にも不安の色が浮かんでいる。やはり、ヴィオラを送り出すのは心配だったようだ。

「ご無事でよかったです。ドキドキしてしまいました」
「私もよ。ニイファだけじゃなくて、皇妃様や、ヤエコ様がついていくださるって思ったから、なんとか頑張れたけれど……」

 ニイファを連れ、満月宮の方に歩きながら、ヴィオラは最後のザーラの言葉を頭の中で繰り返す。
 脅した――と彼女は言っていた。戻る気にならないように脅した、と。

「……やっぱり、そうだったのね」
「どうかなさいました?」
「ううん、なんでもない」

 おそらく、この国に来る時襲われたのはザーラの仕業だったのだろう。残念ながら証拠はないので、問い詰めるわけにはいかないが。
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