転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 あのあとヴィオラは誘拐もされかけたが、あれはティアンネ妃に組していた一派の行ったことだと判明している。
 この国に来てからはいたって平和――というには、事件に巻き込まれている気もするが――に過ごすことができているから、やはり、襲撃されて湖に転落した時のことを指しているというのが正解だろう。

(だからって、今、私になにができるというわけでもないものね)

 証拠があればザーラに掴みかかってもよいが、なにひとつない。ただ、ザーラにはやはり注意が必要だとヴィオラは思った。

「ホットチョコレートとクッキーをご用意しておきましたよ。皇妃様も、今、ゲームをなさっておいでです」
「嘘! 皇妃様まで!?」
「タケル様がお誘いしたそうです」
「たしかに、そんなことを言っていたけれど……」

 まさか、本当に誘うとは。
 ヴィオラが談話室に入った時、そこはとても盛り上がっていた。

「ほら、私のあがりよ。では、このクッキーは私がいただいてよいのかしら?」

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