かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
「まさかなくなるなんて思ってなくて……自分の会社にないか探してみたんですけど、どこにもなくて……」」
ピンバッジがなくなってしまった現実を呑み込んだ後、じわじわとこみ上げてくるのは悲しいほどの喪失感。堪える間もなく目から涙が滲んできた。恭子さんの前で情けない。
私の個人的な話を聞き終わると、恭子さんは長いため息をついた。
「だから言ったじゃない」
頭の上に思いのほか厳しい口調が降ってきて、私はパッと顔をあげた。恭子さんは腕を組み、微かに険しい表情を浮かべて私を見下ろしていた。
「肌身離さずちゃんと持ってたほうがいいって、私そう言ったよね?」
「はい。確かに、そう言われました」
「芽衣さんが一生懸命頑張ったからこそ手に入れたものなんでしょ? それを失くすなんて……」
言葉が見つからなくてしん、と事務所が静まり返る。
私だって失くしたくて失くしたわけじゃない。胸にピンバッジがあるからこそ辛いことも乗り越えられた。けれど、何を言われようと百パーセント自分が悪い。しかも、恭子さんから忠告を受けていたというのに、失くすなんてことはない、とあぐらをかいていた。それがいかに浅はかな考えだったか今になって思い知らされた。
何度も唇を噛んでいると、もう一度ため息をつきながら恭子さんが肩を落とす。
ピンバッジがなくなってしまった現実を呑み込んだ後、じわじわとこみ上げてくるのは悲しいほどの喪失感。堪える間もなく目から涙が滲んできた。恭子さんの前で情けない。
私の個人的な話を聞き終わると、恭子さんは長いため息をついた。
「だから言ったじゃない」
頭の上に思いのほか厳しい口調が降ってきて、私はパッと顔をあげた。恭子さんは腕を組み、微かに険しい表情を浮かべて私を見下ろしていた。
「肌身離さずちゃんと持ってたほうがいいって、私そう言ったよね?」
「はい。確かに、そう言われました」
「芽衣さんが一生懸命頑張ったからこそ手に入れたものなんでしょ? それを失くすなんて……」
言葉が見つからなくてしん、と事務所が静まり返る。
私だって失くしたくて失くしたわけじゃない。胸にピンバッジがあるからこそ辛いことも乗り越えられた。けれど、何を言われようと百パーセント自分が悪い。しかも、恭子さんから忠告を受けていたというのに、失くすなんてことはない、とあぐらをかいていた。それがいかに浅はかな考えだったか今になって思い知らされた。
何度も唇を噛んでいると、もう一度ため息をつきながら恭子さんが肩を落とす。