かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
心の中で揺れ動くものを掻き消して食事をしようと椅子から立ち上がったとき、スマホが鳴った。その番号は恭子さんからのもので、もしかしたらピンバッジが見つかったという朗報かもしれないと慌てて飛びついた。
「もしもし?」
『あ、芽衣さん? お休み中のところごめんね、この間渡した売り上げデータのことなんだけど、実は入力ミスがあって……芽衣さんの仕事に差し支えないか心配だったから電話しちゃった』
「そうだったんですか、わざわざすみません」
せっかく仕事のことで電話をしてくれたというのに、心のどこかで期待外れだったという残念感が拭えず無意識に声が沈んだ。
『ピンバッジのことなんだけど……とりあえず冷蔵ショーケースの下とか覗いてみたんだけど、埃しか出てこなかったわ』
その声を察した恭子さんが、申し訳なさそうにぽつりと呟いた。
店の従業員へピンバッジが紛失したことを伝えると、個人的なことにも関わらずみんな快く捜索に協力してくれた。けれど、迷惑をかけてしまっていることを考えるともうピンバッジのことは諦めようかという気にもなる。
「そうですか……すみません、お手数をおかけしてしまって」
ピンバッジがなくなってから数日、いまだに手がかりもないままだ。
家に帰ると長嶺さんが「元気ないな」「どうかしたのか?」といつも心配してくれるけれど、私的なことでくよくよしていたらまた泣いてしまいそうで「なんでもないです」と突っぱねてしまった。
「もしもし?」
『あ、芽衣さん? お休み中のところごめんね、この間渡した売り上げデータのことなんだけど、実は入力ミスがあって……芽衣さんの仕事に差し支えないか心配だったから電話しちゃった』
「そうだったんですか、わざわざすみません」
せっかく仕事のことで電話をしてくれたというのに、心のどこかで期待外れだったという残念感が拭えず無意識に声が沈んだ。
『ピンバッジのことなんだけど……とりあえず冷蔵ショーケースの下とか覗いてみたんだけど、埃しか出てこなかったわ』
その声を察した恭子さんが、申し訳なさそうにぽつりと呟いた。
店の従業員へピンバッジが紛失したことを伝えると、個人的なことにも関わらずみんな快く捜索に協力してくれた。けれど、迷惑をかけてしまっていることを考えるともうピンバッジのことは諦めようかという気にもなる。
「そうですか……すみません、お手数をおかけしてしまって」
ピンバッジがなくなってから数日、いまだに手がかりもないままだ。
家に帰ると長嶺さんが「元気ないな」「どうかしたのか?」といつも心配してくれるけれど、私的なことでくよくよしていたらまた泣いてしまいそうで「なんでもないです」と突っぱねてしまった。