かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
「そういえば、長嶺さんって加賀美主任と昔からの知り合いだったんですか?」

私が尋ねると、長嶺さんのフォークを持つ手が一瞬止まった。

「まぁ、昔、仕事で少し顔見知りになった程度だけどな」

何気ない質問だったのに、長嶺さんは長い睫毛を落として切なげな表情を浮かべ、一点を見つめていた。

いつから知り合いだったんですか?そう問おうとしたけれど、それ以上聞くなというオーラが私を拒んでいるみたいで出かかった言葉を引っ込めた。

聞いちゃいけない質問だったのかな……?

シブーストを食べ終えた空のお皿がローテーブルにふたつ並んでいる。話題を変えなきゃ、とあれこれ考えているうちに長嶺さんがふいに笑顔になった。

「君に渡したいものがあるんだ。お土産はシブーストだけじゃないぞ?」

「え?」

パッと切り替わった沈んだ空気に目をきょとんとさせていると、長嶺さんが綺麗に包装された小さな箱を私に手渡した。

「これは……?」

「開けてみてくれ」

ビビットカラーの赤い箱をドキドキしながらそっと蓋を開く。すると、そこに入っていたのは……。
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