かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
そう言うと、長嶺さんの顔からすっと笑みが消えた。その表情がなぜか悲しげでチクリと胸に突き刺さる。けれど、きっと尋ねたらこうなることは分かっていた。
お願い、私には全部話して欲しい……長嶺さんのこと、受け止めたいから。
「恭子さんから色々聞きました。幼馴染だったことや、長嶺さんが以前コンサルタントだったことも、それに……どうしてこのピンバッジの裏の番号が個人番号だって知ってたんですか?」
「あのお喋りめ……」
長嶺さんは形のいい眉を曇らせ、はぁと小さくため息をついて夜空を仰いだ。
「今から十年前だ。俺はとある大手のコンサルティング会社の商業コンサルタントとしてパリで仕事をしていた。ある日、パリの八区に店を出すから経営上のアドバイスをして欲しいという人がいてね、実はその依頼をしてきたのが君の父上だったんだ」
「え? お父さんが?」
当時、私は中学生で忙しそうに日本とパリを行ったり来たりしている父を見て、大変そうだと思いながらも何もしてあげることはできなかった。心臓に疾患があることがわかったのもちょうどことくらいの時期だった。
まさか、そのときに長嶺さんと父が知り合っていたなんて……。
お願い、私には全部話して欲しい……長嶺さんのこと、受け止めたいから。
「恭子さんから色々聞きました。幼馴染だったことや、長嶺さんが以前コンサルタントだったことも、それに……どうしてこのピンバッジの裏の番号が個人番号だって知ってたんですか?」
「あのお喋りめ……」
長嶺さんは形のいい眉を曇らせ、はぁと小さくため息をついて夜空を仰いだ。
「今から十年前だ。俺はとある大手のコンサルティング会社の商業コンサルタントとしてパリで仕事をしていた。ある日、パリの八区に店を出すから経営上のアドバイスをして欲しいという人がいてね、実はその依頼をしてきたのが君の父上だったんだ」
「え? お父さんが?」
当時、私は中学生で忙しそうに日本とパリを行ったり来たりしている父を見て、大変そうだと思いながらも何もしてあげることはできなかった。心臓に疾患があることがわかったのもちょうどことくらいの時期だった。
まさか、そのときに長嶺さんと父が知り合っていたなんて……。