かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
「実は……招待された授賞式で初めて君を見たんだ。今でもはっきり覚えている。ステージに立つ君は学生のようにあどけなくて、けれど、眩しいくらいに希望に満ち溢れていて輝いていた。すごく綺麗だったよ……今、思えば一目惚れだったんじゃないかってくらい、君から目が離せなかった」
初めて聞かされる長嶺さんの赤裸々な告白。
一目惚れって……。
私は耳まで真っ赤になってうっかり気を抜くと悲鳴をあげてしまいそうだった。
「大勢の人並みに押されて会場を後にしようとしたとき、君に声をかけられたんだ。『財布、落としましたよ』って、それが君と交わした初めての会話だった。日本に帰ってきてからも情けないくらいにずっと君のことばかり考えていた。あんなふうにひとこと声をかけられただけで舞い上がってる自分が滑稽だったな」
ああ、やっぱり、あの夢はきっとなにかのメッセージだったんだ。
長嶺さんの温かな手が私の頬をそっと撫でる。夢に出てきた光景は、潜在的な私の記憶だったのだ。長嶺さんの手に自分の手を重ね、その長くて綺麗な指に絡ませるとギュッと抱きすくめられた。
「その後、君があの花澤氏の娘だとわかって、絶対これは運命だと思った。はは……いい大人が、運命だなんて馬鹿みたいだろ?」
初めて聞かされる長嶺さんの赤裸々な告白。
一目惚れって……。
私は耳まで真っ赤になってうっかり気を抜くと悲鳴をあげてしまいそうだった。
「大勢の人並みに押されて会場を後にしようとしたとき、君に声をかけられたんだ。『財布、落としましたよ』って、それが君と交わした初めての会話だった。日本に帰ってきてからも情けないくらいにずっと君のことばかり考えていた。あんなふうにひとこと声をかけられただけで舞い上がってる自分が滑稽だったな」
ああ、やっぱり、あの夢はきっとなにかのメッセージだったんだ。
長嶺さんの温かな手が私の頬をそっと撫でる。夢に出てきた光景は、潜在的な私の記憶だったのだ。長嶺さんの手に自分の手を重ね、その長くて綺麗な指に絡ませるとギュッと抱きすくめられた。
「その後、君があの花澤氏の娘だとわかって、絶対これは運命だと思った。はは……いい大人が、運命だなんて馬鹿みたいだろ?」