かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
「『一人前のパティシエになるまで日本に帰ってくるな、じゃなきゃ君を一生許さない』って、長嶺部長が猪瀬君に言ったの。はぁぁ~、あのときの部長、かっこよすぎて思い出すだけでもドキドキしちゃう」
そう言ってくれたのは、きっと私のためだなんてうぬぼれてしまう。そんな長嶺部長が、私の旦那様になるのだと思うと、人知れず頬が赤くなる。
恭子さん、元気出たみたいだね。よかった。
結婚のこと、恭子さんに一応報告しておいたほうがいいよね?
今まで一緒に仕事をしてきて、彼女ほど息の合うクライアントはいなかった。できれば、これからもずっと交流を続けていきたい。プロジェクトが満了になっても。
「どうしたの? モジモジしちゃって」
「あ、あの……」
いざというときに言葉が出ない。頼りない私の脳ミソをフル回転させて、ぐっと息を呑む。
「実は、私……今度結婚することになったんです。長嶺さんと」
すると、恭子さんは頬杖をついたまま、まるで魂が抜けたかのようなぽかんとした表情で私を見た。
「う、嘘でしょ? 冬也と?」
今まで“長嶺部長”と呼んでいた恭子さんだったけど、あまりの驚きだったのか長嶺さんを“冬也”と呼んだ。きっと普段はそう呼んでいるのだろう。
そう言ってくれたのは、きっと私のためだなんてうぬぼれてしまう。そんな長嶺部長が、私の旦那様になるのだと思うと、人知れず頬が赤くなる。
恭子さん、元気出たみたいだね。よかった。
結婚のこと、恭子さんに一応報告しておいたほうがいいよね?
今まで一緒に仕事をしてきて、彼女ほど息の合うクライアントはいなかった。できれば、これからもずっと交流を続けていきたい。プロジェクトが満了になっても。
「どうしたの? モジモジしちゃって」
「あ、あの……」
いざというときに言葉が出ない。頼りない私の脳ミソをフル回転させて、ぐっと息を呑む。
「実は、私……今度結婚することになったんです。長嶺さんと」
すると、恭子さんは頬杖をついたまま、まるで魂が抜けたかのようなぽかんとした表情で私を見た。
「う、嘘でしょ? 冬也と?」
今まで“長嶺部長”と呼んでいた恭子さんだったけど、あまりの驚きだったのか長嶺さんを“冬也”と呼んだ。きっと普段はそう呼んでいるのだろう。