かりそめ婚ですが、一夜を共にしたら旦那様の愛妻欲が止まりません
表情は柔らかいけれど、その目の奥になんとなく冷たいものを感じ取って息を呑む。
ピンバッジが高値で売れる?
もちろんそんな売ったりなんかする気は毛頭ない。長年努力してやっとの思いで手に入れた名誉だ。でも、受賞した人の中には……そういうことをする人もいるのかもしれない。
「だから、うっかり無くしちゃったなんてことないように気をつけてね、っていう老婆心からのちょっとした忠告」
「は、はい……」
今まで胸に着けていてなくしたこともないし、そんなふうに忠告されたこともなくて戸惑ってしまう。すると、恭子さんがスッと椅子から立ち上がって私の肩をポンと叩いた。
「一緒に頑張りましょう、よろしくね」
にこっと笑顔を向けられて思わず惚けてしまう。
「はい、こちらこそ」
同じ女性同士なのに、すごい身長差……。
私の身長は百五十センチと小柄な部類。棚の上にあるものは踏み台がないと手が届かないこともしばしば。
「恭子さんって、背が高くてモデルさんみたいですよね、私、背が小さいから会社でも結構不便なことが多いんです」
うっかり素直な感想を口にしてしまいハッとなる。もしかしたら背が高いことを気にしてるかもしれないというのに。
「ふふ、女性はそのくらいが一番可愛いのよ? 私なんかこの身長のおかげで威圧感あるみたい。モデルみたいだなんて、そんなこと言ってくれたの芽衣さんだけよ」
目を細め、にこりとするその笑顔から猪瀬君が言う“腹黒”なんて文字は微塵も感じられなかった。
ピンバッジが高値で売れる?
もちろんそんな売ったりなんかする気は毛頭ない。長年努力してやっとの思いで手に入れた名誉だ。でも、受賞した人の中には……そういうことをする人もいるのかもしれない。
「だから、うっかり無くしちゃったなんてことないように気をつけてね、っていう老婆心からのちょっとした忠告」
「は、はい……」
今まで胸に着けていてなくしたこともないし、そんなふうに忠告されたこともなくて戸惑ってしまう。すると、恭子さんがスッと椅子から立ち上がって私の肩をポンと叩いた。
「一緒に頑張りましょう、よろしくね」
にこっと笑顔を向けられて思わず惚けてしまう。
「はい、こちらこそ」
同じ女性同士なのに、すごい身長差……。
私の身長は百五十センチと小柄な部類。棚の上にあるものは踏み台がないと手が届かないこともしばしば。
「恭子さんって、背が高くてモデルさんみたいですよね、私、背が小さいから会社でも結構不便なことが多いんです」
うっかり素直な感想を口にしてしまいハッとなる。もしかしたら背が高いことを気にしてるかもしれないというのに。
「ふふ、女性はそのくらいが一番可愛いのよ? 私なんかこの身長のおかげで威圧感あるみたい。モデルみたいだなんて、そんなこと言ってくれたの芽衣さんだけよ」
目を細め、にこりとするその笑顔から猪瀬君が言う“腹黒”なんて文字は微塵も感じられなかった。