【電子書籍化】騎士団長と新妻侍女のひそかな活躍
「では、父は……他所に斡旋するために子供たちを集めていたのではなかったのですね?」
「もちろんです。それに侯爵は、自分がそういう信念を持つようになったのは娘の存在が大きい、とも話してくださいました」
「私……がですか?」
オーモンド氏の話によると。
『娘は声が聞こえる能力を持って生まれたが、まだ世間の目が厳しいゆえに私も方法がわからず、つい抑え込むような強い口調になってしまう。世間の誤った認識がなければ、神聖で尊い力なのに。しかし、娘はまだ親である私がいるが、守ってもらう者のいない子供たちは行き場を失っている。そんな子供たちを助けたいと思えるようになったのも、娘が同じ力を持っているからだ、他人事とは思えない』と、ウェントワース侯爵は語っていたという。
「お父様の、私の力に対する厳しい態度は……私を想ってのことだった、と……」
「親というものは、我が子を愛するあまり、どうしても厳しく接してしまうものです。しかし……それを話してくださったのは、この家を訪問していただいた時なのですが……陰でヴィンスに聞かれていたようです。私の落ち度です。申し訳ありません」
オーモンド氏は頭を垂れた。
「その紙は、侯爵が亡くなってから施設を整理している時に見つけました。王都に出向く用件がある時にお訪ねしてお渡しようと、大切に保管していたのですが、その矢先、階段から落ちまして。その紙もずっと我が家に留まったままでした。ですが数日前、目が覚め、なぜだかご家族に今すぐお渡ししなくては、という使命感にかられました。しかし身体は動かせず、こうしてご足労いただいた次第です。侯爵のお考えも直接お伝えしたかった。……今にして思うと、侯爵が私の目を覚めさせてくれたのかもしれません」
「もちろんです。それに侯爵は、自分がそういう信念を持つようになったのは娘の存在が大きい、とも話してくださいました」
「私……がですか?」
オーモンド氏の話によると。
『娘は声が聞こえる能力を持って生まれたが、まだ世間の目が厳しいゆえに私も方法がわからず、つい抑え込むような強い口調になってしまう。世間の誤った認識がなければ、神聖で尊い力なのに。しかし、娘はまだ親である私がいるが、守ってもらう者のいない子供たちは行き場を失っている。そんな子供たちを助けたいと思えるようになったのも、娘が同じ力を持っているからだ、他人事とは思えない』と、ウェントワース侯爵は語っていたという。
「お父様の、私の力に対する厳しい態度は……私を想ってのことだった、と……」
「親というものは、我が子を愛するあまり、どうしても厳しく接してしまうものです。しかし……それを話してくださったのは、この家を訪問していただいた時なのですが……陰でヴィンスに聞かれていたようです。私の落ち度です。申し訳ありません」
オーモンド氏は頭を垂れた。
「その紙は、侯爵が亡くなってから施設を整理している時に見つけました。王都に出向く用件がある時にお訪ねしてお渡しようと、大切に保管していたのですが、その矢先、階段から落ちまして。その紙もずっと我が家に留まったままでした。ですが数日前、目が覚め、なぜだかご家族に今すぐお渡ししなくては、という使命感にかられました。しかし身体は動かせず、こうしてご足労いただいた次第です。侯爵のお考えも直接お伝えしたかった。……今にして思うと、侯爵が私の目を覚めさせてくれたのかもしれません」