【電子書籍化】騎士団長と新妻侍女のひそかな活躍
 エルシーは大事そうに紙をそっと胸に当てた。そこから父の温かい想いが流れ込んでくるような気がして、目を閉じる。

(お父様……ありがとう。私のような子供たちの“お父様”になってくれて)

 その目からゆっくりと、透明な雫が零れ落ちていった。

「アーネスト様……上手く説明できないんですけれど、私……ようやく本当の自分を受け入れられるような気がします」

「ああ……」

 アーネストは短く答えると、エルシーの肩をそっと抱き寄せた。

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