【電子書籍化】騎士団長と新妻侍女のひそかな活躍
夫婦間で隠し事はしたくない。だが、国家と王族に忠誠を誓う夫が事実を知れば、偽王女とパメラを拘束するため直ちに動くだろう。周囲を欺いた罪は重く、国王自らふたりの首をはねてしまうかもしれない。そして、同盟国の尊厳をないがしろにされたジェラルドは、軍を率いてローランザム王国に攻め込んでしまうかもしれない。そうなれば、罪のない多くの民が命を落とす。
(そんなの、ダメよ!)
では、このまま黙っているのがいいのか。エルシーが誰にも言わないでと頼めば、アーネストは当面口外せずにいてくれるだろう。しかし、もしその間に他の第三者が知るところになれば、すぐに王に報告しなかった隠蔽罪で、エルシーともども捕らえられてしまうのは明らかだ。アーネストは保身のため、妻ひとりに罪をなすりつけるようなことはしない。いざぎよく認めて、静かに断罪の時を待つだろう。そうなれば当然、爵位は剥奪、財産は没収、そして何より彼がこれまで積み上げてきた功績と人望は、一気に地の底まで落ちてしまう。
(私のせいで……そんなの絶対にダメよ!)
やはり、自分が黙っているしかない。アーネストに迷惑が及ぶようなことがあってはならないし、セルウィン公爵家の名に傷をつけるわけにはいかない。
エルシーは、食欲があまりないのを理由に、先に部屋に戻った。
(そんなの、ダメよ!)
では、このまま黙っているのがいいのか。エルシーが誰にも言わないでと頼めば、アーネストは当面口外せずにいてくれるだろう。しかし、もしその間に他の第三者が知るところになれば、すぐに王に報告しなかった隠蔽罪で、エルシーともども捕らえられてしまうのは明らかだ。アーネストは保身のため、妻ひとりに罪をなすりつけるようなことはしない。いざぎよく認めて、静かに断罪の時を待つだろう。そうなれば当然、爵位は剥奪、財産は没収、そして何より彼がこれまで積み上げてきた功績と人望は、一気に地の底まで落ちてしまう。
(私のせいで……そんなの絶対にダメよ!)
やはり、自分が黙っているしかない。アーネストに迷惑が及ぶようなことがあってはならないし、セルウィン公爵家の名に傷をつけるわけにはいかない。
エルシーは、食欲があまりないのを理由に、先に部屋に戻った。