【電子書籍化】騎士団長と新妻侍女のひそかな活躍
王女は西のアシュクライン王国との繋がりを選んだのだが、それを面白くないと見る国があった。南に位置するカーディフト王国だ。
カーディフトは、ローランザムとぼぼ同じ大きさの国だが、ローランザムとアシュクラインが繋がることはやがて大陸の脅威になると捉え、しばしば婚姻の撤回を求めてきた。しかし、ローランザム側がそれに応じないとわかると、国境付近の兵の数を倍に増やすなど、明らかな挑発行為に出てきたのである。
「我がローランザムは貿易には長けていても、軍事力は他国よりやや劣ります。ティアナ王女は、アシュクライン王国と繋がることで故国を守ろうとなさったのです」
国内では、この婚姻を一旦保留にする案も出たが、王女は予定通りアシュクライン王国へ出立することを選んだ。
しかし、その数日前に事件が起きた。王女が何者かに襲撃されたのである。幸い、命に別状はなかったものの、すぐに身体を動かすのは困難となった。
「王女様は、今回の事件は公にしないとお決めになりました。臣下たちに動揺が広がることを懸念なさったのです。それでも何とか輿入れに間に合うように努めていらっしゃいましたが……時間的に無理でした。そこで、私が一時的な替え玉としてアシュクラインへ行くと申し出たのです。王女様の容体が安定したと連絡が入れば即、国王陛下に、ローランザムと王女様をお救いくださいますよう、嘆願するつもりでした。もちろん、身を偽り周囲を欺いた罪は、この命をもって償う覚悟でした」
「……でも、特に目立った動きもなく、お部屋にいらっしゃったということは、王女さまからはまだ何の連絡もないということですか?」
エルシーの問いかけに、ティアナは神妙な面持ちで頷く。
「はい。……王女様が本当にご無事なのか、それとも国内で他に何か変動があったのか……私どもにはわかりません」
カーディフトは、ローランザムとぼぼ同じ大きさの国だが、ローランザムとアシュクラインが繋がることはやがて大陸の脅威になると捉え、しばしば婚姻の撤回を求めてきた。しかし、ローランザム側がそれに応じないとわかると、国境付近の兵の数を倍に増やすなど、明らかな挑発行為に出てきたのである。
「我がローランザムは貿易には長けていても、軍事力は他国よりやや劣ります。ティアナ王女は、アシュクライン王国と繋がることで故国を守ろうとなさったのです」
国内では、この婚姻を一旦保留にする案も出たが、王女は予定通りアシュクライン王国へ出立することを選んだ。
しかし、その数日前に事件が起きた。王女が何者かに襲撃されたのである。幸い、命に別状はなかったものの、すぐに身体を動かすのは困難となった。
「王女様は、今回の事件は公にしないとお決めになりました。臣下たちに動揺が広がることを懸念なさったのです。それでも何とか輿入れに間に合うように努めていらっしゃいましたが……時間的に無理でした。そこで、私が一時的な替え玉としてアシュクラインへ行くと申し出たのです。王女様の容体が安定したと連絡が入れば即、国王陛下に、ローランザムと王女様をお救いくださいますよう、嘆願するつもりでした。もちろん、身を偽り周囲を欺いた罪は、この命をもって償う覚悟でした」
「……でも、特に目立った動きもなく、お部屋にいらっしゃったということは、王女さまからはまだ何の連絡もないということですか?」
エルシーの問いかけに、ティアナは神妙な面持ちで頷く。
「はい。……王女様が本当にご無事なのか、それとも国内で他に何か変動があったのか……私どもにはわかりません」