【電子書籍化】騎士団長と新妻侍女のひそかな活躍
「……あの風は、アーネスト様が……? まさか、風の……魔力……?」
アーネストが息を整えながら、わずかに頷く。
「そう、だ……。他に手段がなかった。……悪い」
「いいんです、それより初耳です……!」
「……ああ、長く使っていなかったら、自分の中で上手くコントロールできるか、俺自身にもわからなかった。その程度で、風の魔力の保持者だと、名乗るわけにはいかない」
きちんと会話が成り立っているので、意識ははっきりしていそうだ。しかし久しぶりに力を放出しすぎたせいか、立ち上がるのは困難なようだ。
その間にも、「こっちだ」という男たちの声が近づいてくる。
「エルシー、君だけでも逃げろ」
「そんな、嫌です! アーネスト様を置いていくなんて」
「俺なら大丈夫だ。必ず抜け出してみせる。惚れた女を最後まで守り切れないなんて、騎士としても男としても情けない話だが」
「嫌です! ここであなたを置いて行ったら、女がすたります!」
「そんなこと言っている場合か。とにかく早くーー」
「私の気持ちもわかってください!」
突如、エルシーはアーネストの襟をつかむと、ぐっと引き寄せた。そして彼の唇に自分のそれをぎゅっと押し付ける。
あまりの出来事に、アーネストは何が起こったのかすぐには理解できず、思考も身体も固まってしまった。
アーネストが息を整えながら、わずかに頷く。
「そう、だ……。他に手段がなかった。……悪い」
「いいんです、それより初耳です……!」
「……ああ、長く使っていなかったら、自分の中で上手くコントロールできるか、俺自身にもわからなかった。その程度で、風の魔力の保持者だと、名乗るわけにはいかない」
きちんと会話が成り立っているので、意識ははっきりしていそうだ。しかし久しぶりに力を放出しすぎたせいか、立ち上がるのは困難なようだ。
その間にも、「こっちだ」という男たちの声が近づいてくる。
「エルシー、君だけでも逃げろ」
「そんな、嫌です! アーネスト様を置いていくなんて」
「俺なら大丈夫だ。必ず抜け出してみせる。惚れた女を最後まで守り切れないなんて、騎士としても男としても情けない話だが」
「嫌です! ここであなたを置いて行ったら、女がすたります!」
「そんなこと言っている場合か。とにかく早くーー」
「私の気持ちもわかってください!」
突如、エルシーはアーネストの襟をつかむと、ぐっと引き寄せた。そして彼の唇に自分のそれをぎゅっと押し付ける。
あまりの出来事に、アーネストは何が起こったのかすぐには理解できず、思考も身体も固まってしまった。