君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
授業が始まって、プリントが配られる。
氏名記入っと…あ、去年のクラス書いちゃった。
その部分だけ書き直して、前を向く。
そこで、右隣から視線を感じる。
「ん?どうかした?」
小声で聞いてみた。彼は私の名前ら辺を目を見開いて見つめていた。
「え…何驚いてるの?」
「待って、先輩ってこと?」
「貴哉くんが新1年生なら、そうなるね」
「えええ…」
あれ?おかしいな?
私のこと、先輩って分かってて声かけたんじゃないの?
どうしてそんなに戸惑ってるの?
授業の合間の休み時間。
「あの…さ、ごめん」
「どうしたの急に」
「普通に同級生だと思って、思いっきりタメ語で、その上飛鳥ちゃんとか呼んじゃったから…」
すごい申し訳なさそうに言う。
「何だこの生意気な後輩は!って、思われたかなーって」
「別にそんなこと思ってないよ。新入生だろうなーって思ってた上で喋ってたし」
貴哉くんは、目をパチクリさせていた。
画になる。
理想通りのわんこ系男子だな。
「私、先輩とか後輩とか、そういうの気にしないっていうか…。
先輩って分かったから急に敬語ーとか、変な感じするし、貴哉くんが同級生と話してる時のテンションでいいよ」
「…んじゃあ、飛鳥ちゃんって呼んでいいんだ」
「そんなにそここだわる?」
私は思わず、ふふふっと声を上げて笑ってしまう。
「そんなに笑わなくてもいいでしょー…?」
貴哉くんは拗ねたように軽く頬を膨らませる。
そういう顔は、美少女と美少年しか許されないなって、今改めて思った。