君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。


こちらに戻ってきたおばあちゃんが手にしていたのは、カラフルなクッキーの大袋だった。


「お礼と言っては何だけど…クッキーなんてどうかしら?」

「え…そんな、わざわざいいのに…」


と言ってみたものの、クッキーをよく見たら…


「ヨーチ加工のクッキーじゃないですか…」


カラフルに見えたのは、着色した砂糖ってことか…。


「お姉さん、ヨーチ加工分かるの?」

「この手の加工がしてあるクッキーが結構好きで、これ何て言うんだろう?どうやって作るんだろう?って、調べたことがあって!」

「あらあら、もう…いくらでも持って行きなさいよ」


とんだご冗談を…。

そして結局…なかなか大きい袋のヨーチ加工されたクッキーをいただいて帰るというね。

恐らく姉弟…あるいは兄妹に思われたんだろう。1袋を何も言わずに渡してきました。

まあ、おやつにでも出しますかね。


「逆にありがとうございます!それじゃあ!」


2人で軽く会釈して、喫茶店を後にする。


「飛鳥ちゃん、いつもあんな感じなの?」

「あんな感じって?」

「困ってそうな人見かけては声かけて…って」

「うーん…何となくかな、さっきのは」


特に理由も無く、足が進んでたなぁ…。


「僕一瞬ビックリしたんだからね?
信号そろそろ青になるなーって思って、飛鳥ちゃんの方に目を向けたらいないんだよ?
あれっ?ってなって見渡したら、いたけどさ」

「あはは…それはそれは」


一声くらいかければ良かったね。


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