君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
「貴哉くんも巻き込んじゃったね」
「ん?」
「重い方の段ボール」
「ああ…手出したくて出しただけだから」
「そうだとして、サラッと手出して、すんなり持ち上げちゃって、カッコ良かったよ!とっても」
そう言うと、んー…って顔をされる。
あれっ…?
ふと佐倉の声が降ってきた。
“そうやって素直に言われると、普通の男はどんどん勘違いしてくの”。
佐倉と同じこと考えてるのかな、貴哉くん。
だとしたらごめんなさい…。
「飛鳥ちゃんさ…」
「はい…」
「俺のこと、男だって分かってる?」
「あいっ?」
貴哉くんから、予想だにしない言葉が返ってきたんですが。佐倉くん、これは何が起きてるのでしょうか?
…ん、佐倉に助け求めた理由もよく分かんないけど。
「あれくらい普通に持てるから。俺だって、ただの可愛い後輩くんじゃないよ?」
何その…可愛い後輩扱いしかしてくれない先輩女子に対する反抗みたいな。
「…貴哉くん、そんなに後輩っぽくないじゃん。
最初こそ後輩感強かったけど、最近はあんまり」
「え、そう?」
「飛鳥ちゃんー!って、駆け寄って来る感じは天使降臨レベルよ?
それに、無邪気に頷いてる時なんか子犬みたいで、母性本能くすぐってくるけどさ」
「んんんー…」
不服そうな顔をされるけど。
「基本的にお兄ちゃんみたい。
なんなら翔よりも」
「翔さん超えちゃうのはなぁ…」
「いや、翔は双子の兄みたい。
かろうじて先に生まれました、みたいな感じじゃん?あの感じで国公立行っちゃってるからカオスよね」
「あの感じで勉強できちゃうとか、それもうモテ以外無いよね」
「残念ながらモテないんだけどね」