君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
あーもう、何慌ててるの俺は!もっと堂々としないと!
そんなことを思ってると、全く予測していなかった一言。
「どういう字、書くの?」
え…そこ?面白いなぁ、この子。何に動じるでもなく、ただただ落ち着いた様子でそう尋ねてきた。
「鳥とか数える感じ」
「はい?」
我ながらちんぷんかんぷんな言い方をしてしまった。
「数字の十に、羽で、十羽。貴婦人の貴に、善哉の哉で貴哉」
そう答えると、頭で漢字を思い浮かべたらしく、
「へえ、珍しい名字だね。そういうの好き」
なんて言ってきた。
好き?好き!!好きって言ったよこの子!
あーっ、勘違いするんじゃない、俺。
多分そういう子なんだ。感じた感覚を素直に発言しちゃえる子なんだ。
「私は、3部の妹尾飛鳥。妹の尾っぽで妹尾、飛ぶ鳥で飛鳥」
飛鳥、ちゃん。
「…じゃあ、飛鳥ちゃんでいい?」
「別に飛鳥でもいいけど」
少し考えてみた。
彼女を“飛鳥”って、呼び捨てするシーンを。
やっぱ違和感あるなぁ。
「いや、なんか…飛鳥ちゃんって感じするから、呼び捨てはしない」
そう言うと、少し不思議そうに首を傾げて、
「飛鳥ちゃんって感じ?」
なんて言われてしまう。
「うん、上手く言えないけど、そんな感じ」
「じゃあ、私は貴哉くんって呼ぶね」
気になってる子に名前を呼ばれるってのは、こうも特別なんだな…。
気になってる子の名前を呼ぶってのも、特別だ。