君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
ホームに着いて。
「どうしたの?今日…」
「ん?」
「そんな可愛い格好しちゃってさ」
「凄いね、可愛い連呼するね」
「だって可愛いもん。可愛いの見て可愛いって言うのは普通でしょ?」
そう返すと、さっきまで余裕そうに笑ってた飛鳥ちゃんが、フワッと頬を染めた。
「いつもはストレートなのに、今日は巻いてて。しかも何、露出多くて、どこなら見ても良いのか分かんないし。
俺が今日1日、こんな可愛い女の子独り占めしちゃっていいの?って…なるじゃん」
…あ、待って。動揺しすぎて頭おかしい。
何思ったこと言っちゃってるの。
「…貴哉くんに私服見られるの初めてだから、なんか張り切っちゃった」
「えっ…!」
「ただ、それだけ」
「それだけ…?」
「てかそれ言ったら貴哉くんもじゃん、カッコイイ!ただの女友達と出かけるだけなのに本気出さないで!」
「…や、俺はいつも通りなんだけど」
「うわうわ、そうなったら今度こそ私だけ張り切ってるじゃん」
「…でも、頑張ってみようとはしたんだよ?
そしたらお母さんが、いつものままの方が良いっていうから…。
あ、あれだよ?美容関係の仕事だからアドバイスもらっただけというか」
マザコンとか思われたらまずい!
そう思ってたら、彼女はキョトンとした。
「でもいつもと違う」
「うん?私服だからってことじゃなくて?」
「香水の香りがする。仕留めにかかってる?」
多分本気では言ってないだろうけど、簡単に言えばそうだよ。合ってるよ。
「へぇ…結構気付くんだ?」
「私、鼻は敏感だよ?…良い香り、好きだし」
「俺良い香りする?」
「いつも良い香りするし、今日も良い香りな上に、いつもと違うからってギャップが凄いかな」
それは、ドキッとしたってことかな。