君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
次はペンギンの元へ向かうことにした。
「あーでも、懐かしいな」
「うん?何が?」
「小さい頃、家族で動物園とか水族館とか行った時のこと思い出して。
私そこまで落ち着き無い子ってわけじゃなかったけど、こういう所来ると、急にテンション上がっちゃって。
そうすると、翔がお兄ちゃんらしく手繋いできてさ。そのおかげで迷子にならなくて済んだんだけど。
退行現象だよね、もう。貴哉くんの方が少し年下だけど、何となく大人っぽい所もあって、なんかお兄ちゃんみたい」
「ああ…確かに、さっきは飛鳥ちゃんのお兄ちゃんになってたね。翔さん代理」
「ね、それね」
大人っぽい所があるのか…それは自覚無かったな。でも言われてみれば、他の同級生男子よりかは若干落ち着いてるのかもしれない。
…いや、俺はまだ全然ガキだよ。
「ペンギン可愛い…!」
「あっはは……」
飛鳥ちゃんの方が、まだまだ子供心は忘れてないかもしれないな。
今度は俺のことなんて眼中に無く、1人で走って行って、水槽の前でしゃがみこんで見つめている。
俺も彼女の横に行き、同じ目線でペンギンを眺めてみる。