君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
イルカショーが始まる5分前にもなると、カップルや親子で席がほとんど埋まる。
「こんにちはー!お越しいただきありがとうございまーす!今日、ショーを一緒にやってくれるイルカさんは、ハルカちゃんです!よろしくお願いします」
前列の小さい子達が、ハルカちゃんハルカちゃん!と名前を連呼している。
横の飛鳥ちゃんは…さすがに静かにしているけれど。前のめり気味になってイルカを見つめてる。
輪をくぐったりジャンプしたり、飼育員さんを背中に乗せて泳いだり、それと夏限定の水ばっしゃばしゃイベントとか。
名前こんなんじゃなかったよな…俺どんだけセンス無いの?
それはそうと、俺らの所には若干の水飛沫が来るものの、そこまで来なくて。濡れるってほど濡れない。
「うわ、前列の子供達めっさ濡れてる!」
「飛鳥ちゃんだって、小さい頃はあそこでビシャビシャになってたんじゃないの?」
「いや全然。水苦手すぎて、何とかショー全般観たことなかったよ。
そういや、生でイルカショー観るの初めてかもしれない」
「今は大丈夫なんだよね?」
「そりゃ!小3くらいで水嫌い克服したから大丈夫なんだけど、家族にはまだ、イルカショーは苦手なんだと思われてるんじゃないかな」
「初めてのイルカショー、俺なんだー!」
「それ喜ぶとこ?」
飛鳥ちゃんの何かの初めてが俺だったら嬉しいでしょ?
ただ純粋にそう思ったけど、聞きようによっては下ネタにしか聞こえないな、と思ってやめておいた。