君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
「あ!いた!」
彼女に気付いて手を振ると、振り返してくれる。もう箸まで持って待ちくたびれていたようだ。
「大丈夫だよ、待てできたよ?」
「よし!」
「貴哉くんに飼われてるんか、私」
飛鳥ちゃんは楽しそうに笑った。
ご飯が食べ終わって、少し腹休めをして。
「今思ったんだけどさ…私全然写真撮ってなかった」
「確かにそうだよね!言われてみれば、じーっと見てるだけだった」
「ペンギンとチンアナゴ達は撮りたい!」
「行こうね、また」
「あと貴哉くんも」
「俺も?」
「今まで2人で写真撮ったことないでしょ?だから、どっかでツーショ撮りたいなって」
そんな、幸せなことしていいんですかね、俺が。
今年の夏の幸運使い切るんですかね?
いやそれ言ったら既に、飛鳥ちゃんとデートが2つ内定してる時点でなかなか運使ったけど。
「いいね、撮ろ!」
彼女は、フワフワした笑顔で頷いた。
ペンギンの所まで行くと、水槽に背を向けて画面をこちらに向けた。
ど…どこまで近付いても良いんでしょうか?
そう思うのも束の間、彼女は俺の10センチ以内にいる…!
うん、まあ気にしてないからこそ近いんだろうね、飛鳥ちゃん。
「いいじゃん、丁度良く盛れたよー!」
「どれどれ?」
俺も見せてもらう。…ふふっ、飛鳥ちゃんはいつも通り可愛いのに。俺は、そうだな…少しだけ照れたような顔で写っている。
「あー!貴哉くんも満足そうな顔してるなぁ?いっつもフィルターかけて歩いてるんかレベルに整った顔立ちのくせに!…あ、後でLINEで送るね」
「うん、よろしく」
そう普通に返すけど、ふと発言を頭の中で反芻する。…うん?整った顔立ちだって?
「フィルター…?」
「え、かけてるじゃん」
「かけてないですー」