君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
ー貴哉sideーー
好きな子に、ましてやもうすぐ夜の、夕焼けで良いムードになっちゃってんのに、そこに「帰りたくない」なんて言われたらもう…。
都合良く受け取って、変な勘違いしろって言ってるようなもんじゃないか。
「あ、いや何でもない」
首を傾げて訝しげな表情を浮かべてくる飛鳥ちゃんに、慌ててそう伝える。
「さっ、帰ろう飛鳥ちゃん。もう7時になっちゃう!」
「そうだね、帰ろっか」
2人でのんびり駅まで歩いた。行きとは反対に、そこまで電車は混まないみたいだ。帰宅ラッシュは過ぎてるから。
駅のホームで、飛鳥ちゃんは
「あ」
と声を上げた。
「何?忘れ物でもした?」
「してないです、どんなイメージなんですか私は」
特に怒る気もないようなプンプンした態度で言ってきた。
「水族館でツーショ撮ったじゃん?LINEのホーム画にしても良い?」
「アイコンじゃなくて?」
「…アイコンに自分の顔あるのはちょっとな」
「謙虚にホーム画なんだ?別に構わないよ、好きに使ってもらって」
俺とのツーショに需要があるなら、いくらでも使って下さいって感じだな。
アイコンだったら、さり気なくペア画風にできるのに。…なんて、ね。
飛鳥ちゃんと2人きりで出かけられたからって浮かれてる。
「じゃあ、俺も仲良くホーム画にしちゃおうかな!」
「あっはは、仲良し」
飛鳥ちゃんは面白そうに笑った。