君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
待ち合わせしていた駅で降りて、あのカフェの前までやってきた。
「じゃ、バイバイ!夏祭りのことは、また連絡するね」
「うん、連絡は待ってるけど。ここでお別れ?」
「寄り道したいの?早く帰したいみたいな口振りだったのに」
「送るよってこと」
飛鳥ちゃんは、少し怪訝そうな顔をする。
「1人で帰っても大丈夫な時間帯ですけど?」
「…飛鳥ちゃん、小柄だから中学生以下に見られて補導されるかもしれない。
そうでなくたって、そんな可愛い格好してんのに、1人で無事に帰れるとは思えない」
「どぉーしても、送りたいんだね?」
「…そりゃ。どうしても俺に、家の場所バレたくないとかなら、近くまでとかでも良いけど」
「そういうんじゃないよー。うちまで来て、そのまんま引き返すの、面倒じゃない?っていう」
「飛鳥ちゃんと、もっと長く一緒にいられるって考えたら、そんなん全く苦じゃない!」
「ああ…そう?」
飛鳥ちゃんは降参したように
「じゃあ、送ってもらおうか」
なんて言ってきた。
俺が引かないのを理解したんだろう。