君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。


目的の停留所に着いて降りる。


「もう、3分もかからないよ」

「カップ麺まだ固いくらいで着いちゃうね」


そう返すと、


「どういう例え?」


と笑ってくる。

でも本当に近くて、すぐにお別れになる。
マンションの前に着いてしまう。

半日近く一緒にいたのに、まだ足りないだなんて、俺どうかしてる。


「本当に…家ここ?」

「訳分からん疑いをかけてくるね?何で?」

「んー…まだバイバイしたくないなって」

「彼女か」


飛鳥ちゃんは若干苦笑いみたいな反応を見せる。

彼女というか彼氏がいいですし、仮に飛鳥ちゃんが彼女になったとしたら、バイバイしたくないって言われたいです。
切実な願いです、はい。


「私と1日ずーっといて疲れてないって、貴哉くんの体力無尽蔵だね」

「無尽蔵ってことはないと思うけど…」

「精神年齢3歳児と一緒にいるとか、もう手がかかってしょうがないと思うんだけど?」

「俺、今日1日ずーっと、すんごい楽しかったよ?飛鳥ちゃん、俺と一緒にいてくれてありがとう!」

「んんっ……」


軽く顔を伏せて照れてしまう飛鳥ちゃん。
時々見せる、見せてくれる、女の子の反応だ。


「素直に、そんなこと言うとか…もう、どうしたいのホントに…」


俺のこと好きにさせたいかな。
勿論、異性に対する“好き”に。


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