3月生まれの恋人〜Birthday present〜
『俺は、あるな』
『えっ!?』
それまで黙って聞き役に徹していた先輩が
吸いかけのタバコを灰皿に押し付け火を消した
『なんつか、あー中学んとき?
興味半分で幼なじみとな。
こっちも初めてだったけど』
少しだけ、遠い目をして先輩が過去を語り出す
『ま、痛がるわ噛みつかれるわ、あんま、いい思い出じゃない気もするけどさ・・・』
でも、あいつだけは一生忘れらんねー気がするわ
先輩は、食器入れの中からグラスを取り出すと
それになみなみと日本酒を注いだ
『今日はもう店は止め。
俺も飲む』
先輩は、そう言うか言わぬかのうちに、ぐいっとグラスを空け、軽く息をついた
『テキトーに遊んでた自分に、あんな綺麗な子は不釣り合いかもって・・・
そーゆう悩み?』
口にはしなかった痛い所を簡単に言い当てられ、
俺は思わず先輩から目を逸らす。