My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 4
「ユビルスの術士であるお前に、頼みがある」
その声の主――ツェリウス王子に皆の視線が集まる。
(王子?)
「丁度良かった。ユビルスに書簡を出そうと思っていたんだ」
ゆっくりと、サカードさんがこちらに身体を向けた。
「書簡、ですか。それは一体どのような?」
堂々と彼を見つめ返し、王子ははっきりとこう言い放った。
「ユビルスの術士を数名、衛兵として正式にこの城で雇いたい」
「!?」
私含め、その発言に皆が驚愕した。