ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋
「ゴメン。俺、キミを・・キミの赤ちゃんを自分の手で助けてやれなかった・・・・約束したのにな・・・・」
先生のなんともいえない切ない声を耳にした私はどこからともなく溢れてくる涙を堪えることができない。
「ゴメン。俺、泣かせちゃった・・・」
『違うの・・・・ち、、が、、う、、、、の。先生の、、、、声が、、、聞けて、、、嬉し、、、かったの。それに、、、それに・・・・』
嗚咽をあげていた私はなかなか上手く話すことができない。
このままでは日詠先生に心配をかけてしまうからと、私は右手で自分の鼻を摘みながらなんとか呼吸を整えた。
『それに、先生は、、、私も、、、私の赤ちゃんもちゃんと、、、ちゃんと助けてくれた、、、3回、、、も・・・』
「3回?」
自分が伝えたいことをなんとか口に出した私に対して、日詠先生の声は驚きを隠せていなかった。
『そう・・3回・・・2回は先生もわかっているはず。私が死のうとした時。』
「もう1回は・・・・?」
そして今度は自信なさげな日詠先生の声が聞こえた。
多分、日詠先生の中で思い当たることがないんだ・・・そう思った私はちゃんと説明しなきゃと唇をきゅっと噛んでから再び口を開く。