ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋



「・・・・・・・・」


俺がついこぼしてしまった本音を耳にした伶菜。
ただでさえ大きな瞳がもっと大きくなった。
白い頬が真っ赤に染まった。


目と目が合っても
お互いに言葉が出ない
もしかしたらとんでもないことを口にしてしまったかもしれない


そう思った瞬間。

遠くのほうから、ストレッチャー(移動式寝台)のキャスターの音らしきものがかすかに聞こえてきた。

その音を耳にし、顔の前で両手を合わせて祈るような顔を浮かべた伶菜。

そんな彼女から、親という自覚をちゃんと持ち始めているということが伝わってきて、彼女の成長を感じ、嬉しいと思った。

それと同時に、もっと彼女の傍で、彼女の成長を見ていたい

・・・そんな気持ちが俺の中で芽生え始めたのを感じずにはいられなかった。



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