ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋


鋭い目付きである彼の瞳から目を逸らせないどころか、吸い込まれそうな感覚をも覚えてしまった私。

その言葉を言う代わりに、私を抱きしめたの?

もし、その言葉が日詠先生の本心から出た言葉であるならば
奥野先生は?
三宅さんは?

私がこのままこれからもずっと日詠先生の傍に居たら
・・・・彼女達はどうなっちゃうの?



日詠先生
アナタに大切にされたいと想っているかもしれない人は、どうしたらいいの?
アナタに将来の安泰を委ねたいと想っている人はどうしたらいいの?

本当はこれ以上、彼を問い質したりするべきではない
そう思ってる

でも、このまま、それらの疑問を中途半端なままにしておくのは
よくない・・・そんな気がする




『・・・私、いつまでココに居てもいいの?私がこのままココに居たら、お、、奥野先生は?三宅さんは・・・どうしたらいいの・・・・・?』

私は黙ったままで居たほうがよかったかもしれないことを彼の前でとうとう言葉にした。




「やっぱり、三宅か・・・」

そう呟いた彼の顔からは瞬時にして表情までも消えてしまった。


「三宅がなんだかんだ言いながらお前を脅しにかかってきたんだろ?・・・それで奥野さんがお前を助けてくれたって訳だ。」

『・・・・・・・・・・』

またまた先生の言う通りで言葉が出ないところか
息もロクにできやしない


「彼女の、三宅の言うコトには絶対怯むなよ・・・・・」

迷いなんか一切感じられない日詠先生の毅然とした声。


< 363 / 699 >

この作品をシェア

pagetop