世界で一番幸せそうに、笑え。
廊下を歩きながら、色々なことを考える。
先輩に言われた、幸せになれよ、は、このままじゃ絶対に叶えることが出来ない夢で終わってしまう。
このままじゃ、嫌だ。
「依」
その瞬間、私を呼んだのは、1番大好きな声。
でも、今は1番聞きたくない声。
「夏樹…、どうしたの?」
ここはA棟。図書室以外は授業で使う教室ばかりだからあまり人は居ないはずなのに。
それに今日は部活は…って、ないのか。
水曜日はバスケ部もサッカー部も休みだった。
「ごめん、俺図書室に居たんだ。」
「え?」
「最初から居たんだけど…、途中で出るに出られなくて。」
「…図書委員か、夏樹。」
そうだ、成程。
こいつは、当番をしながら漫画を読めるという理由で図書委員になったんだったっけ。
「最初から聞いてたってこと?」
ばつの悪そうな顔をする夏樹にそう尋ねれば、「まじでごめん…、ほんとに」と、身振り手振りまで交えて謝られてしまった。
「いいよ、別に。夏樹が謝ることでもないでしょ。」