一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「っえ!?片瀬くん?何でバス停?私、今日はバスじゃなくてね?」
『ここで少し待っていてくれますか?直ぐに戻りますからバスには乗らずに人通りの多いここで待っていて下さい。俺のバックを紗江さんに預けて置きます。だから俺が来るまで絶対にここから動かないで下さい。』
持っていたバックを私に押し付けるとそう言い残して走って会社の方へと走り出してしまった彼。
何か重要な忘れものなのか、あっという間に背中がみえなくなった。
取り残された私は言われた通りに、彼のバックを膝に抱いて彼を待った。
駅まで一緒に帰ろうという事なのかな。
ソワソワしながら彼を待っていると一台の車がバス停の近くに停車した。
その見覚えのある車をぼーっと眺めていると、運転席から彼が降りてきてこちらに近づいて来る。
『体調が悪いのにお待たせしてすみません。早く助手席に乗って下さい。』
「え?取りに行ってたのって車?それって体調が悪いって言った私の為、、?」
『それ以外に何があるんですか?早く乗って下さい。』
仕事終わりに疲れているのに走って追いかけてきてくれてその上、私の嘘を信じて車まで取りに行ってくれていた。