一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
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『紗江さん、聞いてますか?これを機に、もっと自分の事を、、っ、、。』
言葉が返ってこない隣の彼女に視線を向けると、小さな寝息を立てていて思わず黙り込む。
体調が悪化してしまったのではないかと心配になり、赤信号になったのを確認して彼女の額に手を乗せる。
『、、今の所は熱は上がってないみたいですね。良かったです。』
「んっ、、。」
気持ち良さそうに眠るその柔らかな頬に手を滑らせると、くすぐったそうな表情と鼻から抜ける甘い吐息に慌てて視線を逸らしハンドルへと手を戻した。
仮にも好きだと告白してきた男と車という密室に2人きりだというこの状況にも関わらず穏やかな表情を浮かべる彼女に少し怒りさえ覚える。
こんなに安心しきった無防備な姿を見せられたら、勘違いしてしまいそうだ。
それだけ彼女にとって、自分は信用されている人間なのだと嬉しく思わなくもないが男としては少し落ち込む。
昔から面倒見のいい彼女からは、弟のようにしか思われていない事は知っていた。
でも学生の頃はそれでも良くて、この関係が壊れるくらいならと彼女の優しさに甘えて長い事そのぬるま湯に浸かっていた。