一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
学年が上がり、小学4年になった時にクラス替えが行われた。
そこで人生の転機が訪れる。
柏木 慎一との出会いだ。
彼はクラスの人気者でいつも彼の周りには沢山の人が集まってくる。
一方、そんな彼とは正反対で教室の隅の席で独り孤独な時間を過ごす自分。
面倒見のいい彼女の弟である彼もまた、面倒見のいい男で新学期早々にやたらと俺に絡んでくるようなった。
当然、俺が愛人の子だという事も知った上で気にする素振りもなかった。
クラスの皆が、、大人でさえ俺を〝愛人の子〟だというフィルターを通して見てくる中、慎一だけは違って唯一俺自身を見てくれた。
仲良くなるにつれ、家へ遊びに来ないかと誘われるようになった。
行きたいのは山々だったが、露骨に嫌な顔をする周りの目を気にして行けなかった。
俺の所為で母親が不幸になってしまったように、慎一と仲良くする事で彼が不幸になるのが嫌だったからだ。
これを機に慎一から距離を置くようになったが、
どんなに冷たくあしらっても拒否しても慎一は俺から離れて行かなかった。
きっと孤独や絶望の中に潜む〝寂しさ〟を感じ取っていたのだと思う。