一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》

もしかしたら熱が出てしまったのかもしれない。

慌てて彼の腕の中から出て、額に手を当てる。







「暁人くんは寒いよね!?気づかなくてごめんねっ、、!熱が出てるんじゃない?! ?!」

『いえ、俺は大丈夫です。でも紗江さんも長い事雨に打たれたのでしょう?風邪引くと一大事ですからやっぱりタクシーを止めてきます。』

「待って!?タクシー止めても暁人くんは乗れないでしょ?それじゃ意味ないよ!!」

『紗江さんが帰れればそれでいいんですよ。』









そう言って優しく微笑む彼。

きっと寒くて一刻も早く暖を取らないといけないのは彼の方なのに、それを後回しにして私の事を優先する。





そんな彼の優しさは嬉しいけど、私だって彼の事が大事だし優先したいのは同じだ。


周りを見渡すとある建物が目に入って、彼の方は一度も見ずに強引に手を引きその建物へと向かう。








『紗江さん!?一体どこへっ、、っ、、!?ま、待って下さい!!!』



どこへ向かっているか気づいた彼は、その入り口で足を止め中へ入る事を抵抗してきた。

私よりも長身のしかも男性の力に勝てる事は当然出来ず、無理やり連れて入ろうとするも失敗に終わる。


< 154 / 456 >

この作品をシェア

pagetop